患者様の声を頂きました。
思い
の丈を書きつらね、長くなってしまいました、ということですが、全文そのままご紹介いたします。
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私は22歳のとき、突如腹部に激しい痛みを感じ、嫌な汗が出始め、これはまずいと病院に行ったところ、「卵巣が腫れて、腹膜炎を起こしている」として、その日のうちに緊急開腹手術を受けました。結果、両卵巣にチョコレート嚢腫があり患部は切除したが、再発の可能性も高いと医師に言われました。幸いにも両卵巣は切除せず、残せたとのことでしたが、緊急開腹手術をした痛みとお腹にできた大きな傷、再発への恐怖が日に日に増し、大学を休学して手術後1年ほど家に引きこもって生活するほどでした。当時は今ほどインターネットが発達しておらず、少ない情報の中で、なんとか再発を防ぐための方法はないかと調べつつも、毎月の婦人科での卵巣のチェックとともに低容量ピルで生理を止めることなりま
した。社会人となったばかりの中で2年に渡る低容量ピルでの治療は副作用もあり、倦怠感やだるさなどが日に日に増しました。周りには治療をしていることは内緒にし、お腹の傷を見られたくないので、友達と海や温泉に行くことができなくなりました。なんで、なんで私なの?という思いを抱え、ピルの服用を続けましました。最低でも2年は服用するのが効果的と聞いていたので、それを境にピルを止め、エコーで卵巣の様子を定期的に見ることとしました。その後しばらく再発を防げましたが、31歳の年末、定期検診で卵巣が7センチまで腫れていることがわかり、新年早々MRIをとったところ、やはりチョコレート嚢腫が再発したとの診断でした。この時の気持ちは未だに忘れられません。また手術をするのか、
そしてまたあの薬を毎日飲み続けるのか、恐怖と不安で気持ちがいっぱいになり、仕事や他のことに全く集中できない日々が続きました。
そして、婦人科医と治療法を相談し、22歳のときにはまだなかった「リュープリン」というチョコレート嚢腫を含む子宮内膜症に効果的な注射を試してみることにしました。しかし、この薬も副作用が強く、最低6ヶ月しか打てないとのことでした。実際に、注射を打つと、体は更年期のような状態になり、冬なのに急に自分だけが汗をびっしょりかいたり、倦怠感や無気力感に苦しみました。半年後、チョコレート嚢腫は全くなくなり、ほっとしたところ、更に3ヶ月後のエコーで、再度卵巣が腫れていることがわかり、愕然とし、あの辛い注射はなんだったんだと呆然としました。。。
そしてまた治療の検討です。リュープリンがまた打てるようになるまであと3カ月待つか、または低容量ピルを2年間飲むか。。でもそれでもチョコレート嚢腫は再発するかもしないし、、と葛藤が続きました。
その中で、もう副作用の強い西洋的治療はやめて、前から気になっていた鍼を試してみようと思い立ち、「ビッグママ」の扉を叩きました。「鍼なんて本当に効果があるの?」という気持ちもありましたが、やってみなれば分からない、とにかくやってみよう、ダメで元々もいう気持ちで、ビッグママで週に一度3カ月通ったところ、卵巣の腫れは、婦人科医があれ?というくらい無くなったのです!! この間、副作用は全くなく、むしろ週に一度の鍼がとても良いリラックスタイムとなっていました。鍼灸中に寝てしまうほど気持ちの良さもありますし、何より先生との何気ない会話が気持ちを前向きにしてくれました。
その後、当時付き合っていた彼氏と結婚することとなり、すぐ子供を持とうとなりました。自分自身が34歳という高齢出産一歩手前という年齢的なことと、子宮内膜症は妊娠しづらく、チョコレート嚢腫の治療には妊娠が最も有効だったからです。しかし、私の妊娠の可能性は、22歳のときに受けた緊急回復手術による卵管の癒着状態により、自然妊娠は非常に難しいとのことでした。結果、体外受精が最も効果的ということで、入籍翌月には採卵する勢いで不妊治療が始まりました。その間、鍼灸は週に一度のペースで続け、体の状態を保ちました。1度目の体外受精の結果は「妊娠なし」で、落ち込みました。。。また、卵管癒着の影響で、採卵時の肉を裂かれるような激痛により、体調を大きく崩してしまいまし
た。鍼もしばらくお休みせもらい、2回目の体外受精に向けて体の準備に専念しました。その後体調が回復し、鍼も再開しました。この間、先生からの温かく前向きな言葉が自信となり、再び激痛となる採卵に臨むことができました。
私にとって、鍼は妊娠ではなく、チョコレート嚢腫の治療というのが当初の目的でしたが、結婚により、それは不妊治療への心強いバックアップへとなりました。ビッグママとの出会いは単に治療というだけでなく、不安な気持ちや女性なのに妊娠できないという劣等感など、様々な負の感情に押しつぶされていた私を前向きに導いてくれる存在でした。
そして、私は3回目の移植で妊娠することができました。本当にありがとうございます。来年3月が出産予定日です。「ママ」になるのが待ち遠しいです。