空胞続きだったのに採卵がうまくいった
30代後半の、2人目希望の方の症例です。
2人目を希望するようになって、クリニックに通い始めたのだけれど、なかなか採卵がうまくいかないので、鍼灸で体を整えたいということでビックママ治療室八王子にいらっしゃいました。
1人目の時も同じクリニックに通い、人工授精から体外受精へとステップアップしていき、2年ほどかけて授かりました。
妊娠中は、つわりで少しやせたものの、その後順調に体重は増えて無事出産。
母乳で育てていたけれど、育児疲れかだんだんしんどくなり腰痛も出てきて、体重は元に戻るどころか、数カ月でそれ以上に痩せてしまいました。1年ほどで断乳したそうですが、自然と吸わなくなっていったので卒乳という方がしっくりくるとのことで、ほとんど出ていなかったのではないかというお話でした。
お体を拝見すると、手足が冷たく、お腹も冷たい。脈は緊張していました。ツボの様子から、消化器系の弱りとお疲れな様子が見て取れました。
お話を伺っていると、仕事のストレスが辛かった時や転勤のタイミングで体重が減っています。お疲れが消化器に反映しやすいタイプの方のようです。
そして現在(治療室に来られた時)も母乳育児のお疲れから体重は少なく、BMI18.29 と低体重の域に入っています。卒乳後、体重は増えたということなのですが、もう少し太ってお体の余裕ができれば、不妊治療もうまくいくことでしょう、とお話をしました。
この方の場合、真夏なのに手足もおなかも冷たいのは、エネルギー不足で体を温める力が弱くなっているからです。「お腹がすかないわけではないけれど、食べなくてもいいかな~」とおっしゃる体調を整えたいので、消化器系を中心に鍼灸の手を入れ、ストレスがきつい時には適宜鬱滞を払うという方針をたてました。
週に一度のペースで治療室に通っていただき、自宅でのお灸も毎日欠かさず行っていただきました。
3回目で、冷えが良くなった気がする、というお話でした。たくさん食べるようにしているがもたれることもなく、それまでの便秘気味も快調になったそうです。体重も少し増えて体調もいい。
次の周期で、採卵がうまくいき胚盤胞で凍結できました。
その次の周期には移植して、サクッと陽性判定が出ました。おめでとうございます!
体重が少なすぎて妊娠に至らない方には3つのパターンがあります。
①たくさん食べて体重を増やすパターン
②たくさん食べると具合が悪くなるパターン
③食べない。太りたくない。変わらないパターン
この方は①のタイプで、少しのサポートとご自身の努力で、ぐんと加速して結果に結びつきました。
②のタイプの方ですと、もう少し、もっとたくさんのサポートが必要になってくることでしょう。
今のお体は、これまでの歴史の結果です。
そして不妊治療は期限のあることなので、あまりゆっくりすることなく、一緒に考えて頑張っていければと思います。